プロが感じる 《お客さんとお店のミスマッチが着物被害者を増やす》
プロが感じる
《お客さんとお店のミスマッチが
着物被害者を増やす》
※当記事のページに表示されているお店の広告は筆者とは全く関係ありません 。
前回シリーズ>
教えていいのか?4 着物丸洗いクリーニング店の選び方-その4
→本シリーズは時間がない時に読むと誰かを殴りたくなります。
→時間がない時は読まないでね。
→しかも、今のところ未完結!(^^;
前回>プロが教える2
当ブログへのご来訪、ありがとうございます。
謎の着物水洗いクリーニング屋です。(笑)
いっひっひっ。家族が仲良しグループの新年会で子供連れてパーティー♪との事で、「あれやって、これやって、それやって、○○が終わったら、あとは好きにしといてええで♪」って命令を受けましてん。
で、命令された家事は全て完了!
という事で、今夜もがんばって着物被害者減らす活動をば。
今回もちょっと違う話題でね。
このブログを書く理由はねー(^ロ^
こんにちは。
みんな、着物を洗いたい時、安くて評判の良さそうなお店を探すっしょ?
「年収800億円やからナンボかかってもええ、キレイにせえ!」
という方はこんなブログ読まんやろし。^^;
このブログは
着物お手入れ専門店(以降"着物丸洗い店")を必死に探して
てこのページをクリックしたどり着いたみなさんに向けて書いてますねん。
「いい着物お手入れ専門店を見つけるにははこうするんやで」
という一般の消費者目線で着物丸洗い店の店主が書いたもの。
急いでる人は仕方ないけど、
「時間はある、じっくりいい店を選びたいねん」って人には
ぜひ読んでもらいたいと思うのね。
・・・まだ数本しか記事がないけど・・・・・・。
着物丸洗いクリーニング店(悉皆屋)って、お客さんから
商品を預けてもらって、初めて成り立つ商売。
しゃーからこのブログ読んで
「こいつ、自分の店に集客しようと思ってこれ書いとんなぁ」
と思われて当然やねー。
でもね、このブログは純粋に
「これから着物を始めてみようかしら」という方々や、「あんまり着物の知識ないけどメンテナンスしな!と思って近くのお店に出したら全然汚れが落ちてなかった(着物被害者)」って方に向けて書いとります。
記事の内容で良し悪しを判断してもらお!って考えから
読んでくれる皆さんにすり寄ろうとは考えてないんですわ。
まあ言葉遣いがムチャクチャやから、その時点でわかるわな。
(^^)
ですのでナゾの着物丸洗いクリーニング店の店主というコト以外は公開してませんねん。
着物丸洗いクリーニング店も、取り扱い商品の着物以外については
普通の一般の消費者という側面を持ってる。
「ママの立場で話すけど、妻でもあるのよ!」
・・・ちょっと違うか。^^;
「経済評論家やけど、スーパーで買物はしてるのよ!」
・・・これもちゃうかな。
筆者は異業種参入組やから業界の常識は世間の非常識って知ってる。
でも、ず~っと着物の手入れしかしてこんかった業者さんの多くは、自分らが信じてる業界標準の常識が世間の常識とぜんぜんズレまくってる事に気づかへんねんね。
ここにも「業界と世間の常識度合い」のミスマッチがあるのです。
選んだお店が(;△;)ァゥ・・・
お客さん
「いいお店さえ見つかったら浮気せずにずっとその着物屋さんを利用するのに」
→高すぎる、時間がかかり過ぎる、汚れが残りすぎる
着物丸洗い店
「こんなに丁寧に対応・作業しているのに・・・
こんなにがんばってんのに、なんでリピートしてくれへんの?」
→古い技術の限界、業界の常識にとらわれすぎ、サービス業という自覚なさすぎ
これ、日常的に起きてる、
お客さんと着物丸洗いクリーニング店の意識のミスマッチが
如実に現れてる例。
インターネットがいつでもどこでも見られる以前、こんな情報は全国的にはあんまり知られてなかったけど、実はけっこう多いのね。
★料金と品質。お客さんが最も重視するのは・・・?
▲着物、なんでお手入れに出すの?
このポイントがわかってない消費者のみなさん、ホンマに多いと思う。
インターネットで着物の丸洗いクリーニング、どこに出したらええかググってるうちに、目的がボヤケてくるというか・・・。
みなさん着物丸洗い店探すのって、キホン、
(1) キレイにしたい汚れがある
または
(2) そろそろ洗わなあかんかな
でしょ?
その目的で着物丸洗いクリーニング店を探し始める・・・。
で・・・
候補に上がったお店が・・・
料金的によりお得なお店を選んでて・・・
結局その中からお店を決め・・・
そして新たな着物被害者に。
ちゃんちゃん♪!
・・・という負のサイクルが蔓延しとると、こうなる訳です。
異端児ながら業界人としてお客さん側に一度ゆっくり考えてほしいのは、目的を忘れたら失敗するで!って事。
▲着物丸洗いクリーニング店の皆さん、何で技術力の高さばっか宣伝して、細かい作業料金例は問い合わせな教えられへんの?
消費者は技術力と同時に、結局いくらくらいかかるか知りたいのに。
ひるがえって着物丸洗いクリーニング店のホームページをあちこち見てみると、宣伝の内容がヒドい、と、とっても感じます。
やれ「他店とは技術が違います」とか
「着物の本場◯◯で創業◯◯年、信用が違います」とか
「熟練の技術者が懇切丁寧に作業に当たってます」とか。
熟練の技術者さんが複数在籍するお店はとてもええと思うけど、筆者が知る限り、年とともに皮膚の脂分がなくなってきて、紙を取ろうとした時とかペロッって指をなめてたりする。金箔はがれ防止用の薄紙とかたとう紙なんかでもそう。
そんなんされて、ウレしい訳ないやん。
お店によっては手洗い(トイレやなく洗面ね)の場所が作業前後に行きにくい場所にあったり。
着物お手入れ店やないけど、昔取引関係にあった知り合いのクリーニング店は、作業前に手を洗うって習慣すらなかったっけ。ベテラン技術者からパートの皆さんまで、全員。(見た限りやけどね)
これはそのお店のオーナーの問題やけど、仮にオーナーが作業前に手洗いしろよ、ってマニュアルルールを作ったとして、従うかどうかは疑問やったけどね。
着物お手入れ業界の方で
「そんなコトあらへん!そら一方的な意見や! そんな店、わしの知ってる限りあらへん! 超レアケースや!」
・・・ってもしお感じになってご不快な思いをしたんなら謝ります。
謝りますけど、筆者が肌で見聞きした事実は事実としてあるから、それをこの場で公表するのは表現の自由のひとつやと思ってまして。
ですので少々見る角度を変えて考えてみてください。
「ほほう。なるほど。ほんならホームページ上で当店では他店と違い、一つの作業前には必ず徹底した手洗いを行い、触れる着物に付着する余分な皮脂・タンパク質を必要最低限にしています」って。
2013年末現在、あんまり見たことないですよ、これ謳ってるお店。
筆者のお店ですら表示してないし。(そんなんやってて当然って意味を込めてますが(^^; )
お互いに消費者の皆さんを喜ばせる競争を切磋琢磨して、着物に触れる総人口を少しずつ拡大していきましょう!
着物を着る総人口が増える→着物のお手入れ点数が増える→結果を出せばリピーターになってくれる→長い目で見て少しずつ売上・利益がアップ→これやったら息子・娘に「継いでくれ」って胸張って言える
→お客さん、関係者、み~んなハッピー!
ね?がんばりましょう。
言いたいのは、技術力を誇るページ・情報量と同じくらい、「どこに着物をお手入れに出していいかわからん着物難民のニーズを知って、一刻も早く「こんな場合なら○○円~○○円、あんな場合なら○○円程度」みたいな、参考になる価格・料金を見れるようにしましょっ!ってコト。筆者のお店も含めてね。
マジ、着物業界関係者って消費者からは胡散臭く思われてる今の現状を変えていきましょう。(大きなコト言ってすいません)
もののついでに、もうひとつ横道に。
あくまで筆者は異端児やってコトを理解した上で読んでほしいねんけど、着物を100年ちょっと前に導入された伝統のお手入法でキレイにするって、異業種参入した筆者からすると、「え?どこが難しいのん?」ってすんごい感じてます。(現在進行形)
マジで10円単位で価格設定とか原価計算して、なおかつ今までの飲み物・料理を上回るおいしさ・新食感なんかを要求される、飲食業界出身者からするとね。
ちまたのお店の調理担当のみなさんが着物"まる洗い"の現場を見たら・・・
たぶんこういうと思います。
「へ? 着物が変わってもほとんどおんなじ作業やん。これで日給1万数千円もらえるん? へ~。わし、定年くらいの歳になったらクリーニング屋に転職しょっかな~」って。
「寿司(和食)職人が洋食の勉強するよか、全然楽やんけっ!」て。
もっと言うと、サービス業以外、例えば大手のモノづくりしてる会社で勤めてる会社員の方が見たら・・・。
あ、いや、想像でモノを言うのはやめておきます。(^^;
筆者はもともと飲食業界の接客担当、つまりホール担当やったんやけど、クリーニング業界に足を踏み入れた時、衝撃受けたもんです。
お客さまのニーズに合ってない料金とサービス(キレイ品質)を提供せんでも、お店のオーナーが高級車乗ってるって現実。
そのオーナーいわく、
「バブルの頃は年商1億円寸前までいったんや」(3店舗で)
「今は景気が悪うてクリーニングに出す人減ったから売上下がったんや」ってね。
正直、どう考えても顧客満足度を無視した作業を目の当たりにして、
「社長、クリーニングのコト以外、なんにも勉強せんと今までやってきたんやな~」ってあきらめの境地やった。
「この人とタッグ組んで仕事せなあかんとは、とほほ」・・・て。
変に昔ながらのやり方にこだわりすぎて最新の技術を導入せん → 結果が出されへん(キレイにでけん) → 利用客が不幸に → つまり、結果に不満を感じたお客さんがどんどん別のお店を探してさまよい、二度と利用してくれへんようになる=売上右肩ダダ下がり→お店も先々不幸に。
この負のサイクルを理解でけん着物お手入れ店オーナーが、着物被害者を生み続けてるって、筆者は思ってます。
商売はお客さんあってのものでひょ?
おいしくない料理をたいして安くない料金で提供するお店は退場して
・・・
キレイを作られへんのにそれなりの料金請求するお店は退場して!
・・:・
単純にそう思ってるだけですねん、着物業界の将来を案じて、ね。
ここで本当に話を元に戻しますがぁ・・・
消費者の皆さんね、いろんなミスマッチが合わさって最悪汚れは落とされへんわ、料金はふんだくられるわ、って事態になれへんようにするため、時間のある時にたくさんの悉皆屋(着物お手入れ専門店)さんに電話で問い合わせましょう。
やっぱね、電話で話すとね、はじめはわからんかったコトが、いろいろとわかってきます。
専門用語もそうやし、サービスの価格帯によって説明内容が違ってくるコトもそうやし。
電話問い合わせのもっとも良い点は、ホームページなんかで表示されてる定価の料金が、本当はあんまり料金目安になってないってコトが理屈やのうて実感として理解できるコトやと思っててね。
問い合わせの数が増えてくると、だんだん言い回しも上手になってきて、おんなじ着物の汚れ度合いを伝えても、同じ価格帯のお店でもそれぞれ見積り料金が違ってたりするってコトもわかってくるし。
皆さん自身の「要望と期待と費用」、これに「合致せんお店を選ぶ=お店のミスマッチ」は、どれだけ時間をかけてお店を探すかってところに結構起因します。
「キレイにできんとか料金が高いとかって、あくまでお店の側の責任やろ!」と今でもお怒りになってる、着物被害者になった経験のある方にはムカッとされるかもしれんけど、次回のために、冷静に受け入れてもらえると書いたかいがあったってもんです。
続けて着物被害者にならんためにも、あらたな着物被害者にならんためにも、安くキレイにしてくれるメインのお店が見つかりますよう祈っとります。
皆さん、がんばってね。
っとと!
ヤバイヤバイ。そろそろ家族が「帰宅する」って予定してた時間でございます。バレたら何言われるかわからんので、これにて終わります。
今後はもっと具体的な内容をちょっとずつでも書いていくんで、着物お手入れ店探しに窮したらいつでもどこからでもまたアクセスしてみてね。
ちゃおっ!
貴重なお時間にも関わらず最後までお読みいただき本当にありがとうございます。
筆者 m(__)m
※このブログのページの下部・上部・サイドに表示されているお店の広告は筆者の店とはまったく関係ありません。お店選びは充分に検討し、ご自身の判断でお決め下さい。
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